2 x 12インチ低域ドライバー、1 x 8インチ中域ドライバー、1 x 1インチ高域コンプレッションドライバーの構成による3ウェイスピーカーは、独自開発による中高域一体型ウェーブガイド・ホーンとデュアル・フェーズプラグ構造といった新技術を盛り込み、クリアでナチュラルなサウンドをシリーズ最高出力で提供します。
8インチの中域ドライバーと1インチの高域コンプレッションドライバーは、奥行き方向を揃えて配置されており、クロスオーバー周波数付近の位相干渉を軽減しています。また、高域ホーンを中域ホーン内部でつなげることにより、物理的にセパレートされた一般的なホーン構造よりも高域と中域の音のつながりが向上しています。
緻密な計算により全てが曲面で構成されたウェーブガイドは、ナチュラルな音質を保ちつつ水平50度垂直35度に完全にコントロールされた指向性を備えています。サウンドエリア内には高音圧を提供しつつ、サウンドエリア外の音圧を低減することにより、室内においては壁の反射を抑え、屋外においてはサウンドエリア外への騒音低減の効果をもたらします。
8インチの中域ドライバーの前面には、2種類のフェーズプラグが搭載されています。
1つめのフェーズプラグはドライバーのドーム型振動板に沿った形状をしており、振動板近傍でコンプレッションをかけることで高い音圧を生み出します。
ラジアル型とリング型の長所を融合した7方向の放射状、2重のリング状のスリットは、広帯域でのタイムアラインメント効果を得て、曲面コーン固有の位相干渉の影響を解消します。これにより、高解像度でナチュラルな音質を実現しました。
極めて綿密な計算に基づいて設計されたもう1つのフェーズプラグは、ウェーブガイドとの間にエクスポネンシャルホーンを構成することで、ナチュラルな音色を保ちながら高効率に音を放射します。
斜めに取り付けられた2基の12インチドライバーは、バッフル板に囲まれた空間を駆動することでロード(負荷)をかけ、タイトでパンチのあるローミッドを提供します。
さらに振動板前面の音波はキャビネット内部でリフレックスロードの効果を得てローエンドを増強します。これにより12インチドライバーならではのクリアさとスピード感を活かしたローミッドと、15インチドライバーに匹敵するローエンド再生の両立を実現しました。
キャビネット各所に強固なM10リギングポイントを備え、固定設備への取付けにおいて高い安全性を保ちつつ、多様な設置にも柔軟に対応します。
キャビネット前面から別売りのホイールボードを取り付けることができ、限られた時間の中で設営・撤収を求められるツアーリング用途での使用にも対応しました。