お香入れと香立を合わせ持った香箱です。蓋をとり、中から香を取り出し、香立に立てる。香を聞き終えたら蓋をかぶせ箱として佇む。部屋の空気をしつらえる一箱です。 箱をテーマに制作された木蓋仕様の源氏香箱、伝統技でつくられた羽落ち香箱、合せ香箱の3種類のデザインです。香立と香箱の2つの機能を持っている箱です。サイズは各デザインの大小2種です。羽落ちの技は、利休の時代から茶の湯釜に古くから使われている技法です。一つ一つを叩き割ることで、新たな美を生み出す日本独自の美意識です。朽ちていく 美しさを愛でる侘び寂に通じる美しさです。同じかたちが二つとないデザインも魅力です。お香を聞き、清浄された空間で瞑想にふけるに相応しい品々です。
木蓋の中央には、薫物を好む宮様の匂宮(におうのみや)を据え、その前後に幻、紅梅と源氏香54帖の41~43帖を刻みました。砂肌を生かした鋳物のテクスチャーが日本の伝統美を感じさせ、ウォールナットの木蓋と調和する逸品です。
蓋をスライドさせ香立部分だけを使用することもできます。